富士フイルムが 2025 年にフィルムカメラを発売する可能性はあるのか
PetaPixel がポッドキャスト "Bold Predictions" で、富士フイルムがフィルムカメラを復活させる可能性について語っています。番組内では、富士フイルム UK の Georgiades 氏へのインタビューが引用されました。
同氏は「富士フイルムに25年勤務してきた経験から『絶対にない』とは言い切れない = Never say Never」と語った一方、「確かにフィルム販売数が示す通り、フィルム人気は復活している。しかし、それが一時的なブームなのか、長期的な成長につながるのかを見極める必要がある」と、2017 年に TIME 誌が フィルムの復権 を報じてから 7 年たった今でもなお、慎重な姿勢を崩していません。
富士フイルムについては今年、中国で「ジェリーカメラ(Jerry Camera)」という フィルムカメラを発売した との情報も入っています。しかし、富士フイルムフランスの写真事業部ディレクターである Franck Bernard 氏は、2024 年 10 月の Phototrend とのインタビュー で「今のところ、新たなフィルムカメラのリリースは計画にない」と発言。さらに「若者の間でフィルム写真への熱が高まっているのは確かだが、大規模な現象と捉えるのは早計かもしれない」とも述べています。そのうえで「われわれは、使い捨てカメラや各種フィルムなど、すでに提供するプロダクトに自信を持っている。確かにフィルム人気はあるが、その重要性を大きく見積もりすぎるのは避けるべきだろう」ともコメントしました。
こうした複数の関係者の発言から浮かび上がるのは、富士フイルムにとってフィルム事業は依然として重要な収益源である一方、新たなフィルムカメラを大々的に展開するほどの規模やリスクに耐えうるかを慎重に見極めているという実情です。フィルム人気の "復活" が本格的なトレンドとして長期的に続いていくのか、あるいは一過性のブームにとどまるのかは、今後の市場やユーザーの動向次第と言えそうです。
老舗フィルムメーカーでもある富士フイルムは、どの会社よりも細かいフィルムの需要に関するデータを保有しているはず。現時点では今後ユーザーにどのようなアナログ体験を提供していくのか明確な答えは示されていませんが、「決して諦めない(Never say never)」という姿勢と、中国でのフィルムカメラ投入という事例は、今後の動向を占う上で大きなヒントとなるかもしれません。フィルムファンにとっては、淡い期待を抱きつつ、追加情報が出るのを見守りたいところです。冒頭で紹介した Podcast は PetaPixel’s Bold Camera Predictions for 2025 で視聴できます。