Pentax 17 に海外から寄せられたレビューまとめ
Pentax 17 の正式発表を受けて、実機を使ったレビューが海外のサイト・フォーラムで投稿され始めました。評価は概ね好意的で、特にフィルム初心者向けの入門機として推す声が多く聞かれました。この記事では代表的なものを紹介したいと思います。
FStoppers
FStoppers は Pentax 17 を "Fun and Quirky" = "楽しくて風変わり" と表現しています。今回紹介するレビューの中では唯一画質に言及しています。大判プリントには不向きとのことですが、このカメラのターゲット層を考えると SNS でのシェアに耐えうる画質であれば十分なのかもしれません。
- ポジティブ
- 軽量で携帯しやすい
- ハーフフレームで72ショット可能
- 手動巻き上げとシンプルな操作でノスタルジックな体験
- ネガティブ
- 近代的な AF などの機能が欠如
- ゾーンフォーカスは使いにくい場合がある
- 画質はソーシャルメディア向けで、大判プリントには不向き
元記事: Pentax 17 Review: Fun and Quirky Film Photography | Fstoppers
PetaPixel
PetaPixel を含む多くのレビューが、ハーフサイズの採用による経済性をポジティブに捉えています。フィルムの現像代金は海外でも高騰しており、例えばアメリカでは 1 本あたり 10 ドル = 約 1,600 円前後が相場。このような環境では、従来と比べて倍の枚数を撮影できるハーフサイズには画質低下のデメリットを上回るメリットがありそうです。
ポジティブ
- スタイリッシュなデザインと軽量ボディ
- ハーフフレームでフィルムの節約
- 手動フィルム巻き上げ機構の楽しさ
- 初心者にも使いやすいゾーンフォーカス
- アナログ撮影の学習体験を提供
- ネガティブ
- 一部プラスチック部品がチープに感じる
- 完全手動操作を期待するユーザーには物足りない
- シャッタースピードの範囲が限られている
- ゾーンフォーカスの精度は状況により異なる
- 露出の調整が制限されている
元記事: Pentax 17 Review: A Brand-New Film Experience Worth Having | PetaPixel
thephoblographer
記事の末尾に、「このカメラは誰のため?」という問いかけがあります。スペックを考慮するとすでに複数のフィルムカメラを持っている人には適しておらず、新たにフィルムカメラを使い始めたい人に向いているとされており、Pentax 17 が初心者向けのものであることを強調しています。ニューヨークを舞台にした撮影例が多く掲載されています。
ポジティブ
- 初心者向けの使いやすい設計
- フィルムの使用を最適化するハーフフレーム
- 持ち運びたくなるデザインと感触
- 信頼性の高さ
- 過去のフィルムカメラエンジニアの協力による本格的な設計
ネガティブ
- フィルムカメラを複数所有するユーザーには適さない
- 手動設定が少ない(露出補正のみ)
元記事: Pentax 17 Review: The Best First Film Camera?
35mmc
これまでほぼ中古品により成立してきたフィルムカメラ市場に新しい選択肢が増えたことを歓迎しています。他の記事ではあまり触れられていませんが、DX コードリーダーが未搭載であることがポジティブ要素として紹介されています。確かに、最近は DX コードが搭載されていないフィルムや、使用期限切れのためあえて感度をずらして撮影したい場合もあるため、フィルムを交換するたびに ISO 設定をする習慣をつけるのは理にかなっているのかもしれません。
ポジティブ
- ハーフフレームでフィルム・現像のコストを節約できる
- 軽量で持ち運びやすい
- レトロなデザインと現代の使いやすさの融合
- 手動フォーカスの楽しさ
- 中古品と比べた信頼性の高さ
ネガティブな点
- パララックス調整フレームラインがない
- シャッタースピードのデジタル表示がない
- 絞り制御ダイヤルがない
- 露出ロックがない
元記事: Pentax 17 Comprehensive Review - The New Half-Frame Point & Shoot
まとめ
以上、海外4媒体のPentax 17のレビューを紹介しました。総じて、軽量で携帯しやすく、フィルムのコストを節約できるハーフフレームの設計、そして初心者に優しい使いやすさなどが高評価を受けています。一方で、近代的な機能の不足、シャッタースピードの制限などから、中級者以上には向かないとの意見も見られました。先行予約分は各所で完売となっていますが、今後の売れ行きに注目です。