ネガフィルムデジタル化の3つの方法
ネガフィルムのデジタル化は、フィルム写真を現代のデバイスで楽しむために必須の作業です。フィルム写真をデジタル形式で保存することでSNSや写真共有サイトで簡単に共有することができるほか、フィルムの物理的な劣化や紛失のリスクに備えることができます。以下では、ネガフィルムをデジタル化する3つの主要な方法について説明します。
フラットベッドスキャン
フラットベッドスキャナーを使用してネガフィルムをデジタル化する方法です。市販のフラットベッドスキャナーは紙のドキュメントや写真だけでなく、ネガフィルムもスキャンできる機種があります。
フラットベッドスキャンは、「コンタクトシート」と呼ばれる複数のフィルムフレームを一度にスキャンして一覧表示する画像を製作する場合にも使われます。
こちらはレーガン大統領在任中にホワイトハウスで撮影されたフィルム写真のコンタクトシートです(出典:Executive Office of the President of the United States)。このように、フィルム1本分のデータをまとめてスキャンするには、今日ではフラットベッドスキャナが利用されることが多いです。
専用スキャナ
現像ラボなどで使われている専用のスキャナを使用する方法です。連続してフィルムを読み取りながら、高速にデジタル化処理を行うことができます。主な機種として、富士フイルムのFrontierシリーズやノーリツのNoritsu QSSシリーズがあります。
専用スキャナは高価であり、個人や小規模な利用者にとっては負担が大きいです。また、機器の設定やソフトウェアの使い方が複雑で、専門的な知識が必要になるため敷居が高いのが現状です。
家庭用フィルムスキャナ
専用スキャナとして、機能性や画質は見劣りするものの安価に入手しやすい家庭用のスキャナもあります。例えば、ケンコー・トキナーやサンワサプライといったメーカーが比較的安価な専用スキャナを販売しています。
ケンコー・トキナー KFS-14DF は、1300万画素のイメージセンサーを搭載し、35mm、110、126フィルムに対応しています。大型の5インチ液晶モニターを備え、パソコンを使用せずに簡単に操作できるのが特徴です。また、スキャンしたデータをSDHCカードに直接保存でき、テレビに接続して画像を鑑賞することも可能です。
まとめ
以上をまとめると、以下のようになります。
- とにかく簡単、お手軽にフィルムのスキャンを行いたい人(予算:数千円):家庭用専用スキャナ
- 他の用途でも利用可能なスキャナが欲しい人(予算:数万円):フラットベッドスキャナ
- まとまった予算・設置エリアを確保でき、多くのフィルムを効率よく現像したい場合(予算:数十万円以上):専用スキャナ